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【MBA】教授インタビュー

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今回はマクドナルドやアップルで

マーケティング・コミュ二ケーション

ディレクターとして大活躍、

現在は同志社ビジネススクールにて、

次世代育成に努める教授にインタビュー。

 

株式会社マーコムシナジー源の代表取締役

としても、ブランディング戦略

コンサルティングで活躍中。

 

同志社ビジネススクール

河南順一教授

 

<学歴>

 

<勤務歴>

 

<専門>

 

経営困難の中、企業再生に尽力。

アップルの" Think different"戦略の展開、

マクドナルドのCEOコミュケーション担当。

ブランド再生や企業イメージ改善の専門家。

 

<著書>

 

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ここから学べるMBAの原則

  • リーダーシップ(次世代リーダー論)

 

<結論>

好きでたまらないことを極め、

応用することが成功への鍵

 

<インタビュー>

ー自伝を書くとしたらタイトルは?

河南教授(以下、河南):「最高の自分になる 」

で、「七人の侍」に出てくる五郎兵衛を

イメージしています。

実力は中の下だが、正直な面白い男。

その男と話してると気が開ける。

苦しい時には重宝する。

私自身は主人公のように「バーン!」と出る

タイプじゃないです。縁の下の力持ちでも

何かのかたちで貢献する姿が、自分に近いと

思ってます。

もちろん自分が理想とする人がいて、こんな感じになりたいと思うことはありますけどね。

結局、人のマネをしても自分の良さというか、

強さというかはあまり出ません。

自然体でなんとかやりながら頑張るのが、自分

のスタイルに一番合っていると思っています。

 

座右の銘や好きな言葉は?

河南: ”Standing for something”

ゴードン・B・ヒンクレー

https://youtu.be/2VlPWW9Yeyw

信条とか信念とか、自分の信じるものを

しっかりと持っておくことがすごく大事

だと思っています。

何を選択するかの一番の決め手は何に

”Standing for something"しているかです。

実際は安易な選択をしてしまうことが山ほど

あるんですけどね(笑)

大小を問わず、信念に沿った選択をすることが

すごく大事です。

 

ー思わず時間を忘れて夢中になるものは?

河南: オフロードバイクとマウンテンバイク!

マウンテンバイクは今も持っていて、毎日

2回くらい乗ってます(笑)

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オフロードバイクは売ってしまいましたが、

16歳の時に免許をとったことが、人生に大きな

影響を与えたと思っています。

あとはフィルムメイキング/動画の撮影と編集。

https://youtu.be/_JjIStmUNBc

元々映画が好きで、学生時代は友達とよく

観に行きました。そこから監督に憧れるように

なりました。アップルでiMovieが実装されて、

マーケティングをやっていたこともあり、

「これからは動画の時代だ!」

とイベントやセミナーでも触れ回っていて

自分も編集に夢中になりました。

「これからは自分の世界がつくれる」みたいな

ことを考えていましたね。そこから自分の

好きな映画と仕事がつながっていったような

気がします。

 

ーミッションは何ですか?

河南: 人々の「最高」を引き出すことです。

IT業界は浮き沈みが激しいので、みんなが

疑心暗鬼なったり、互いに不信感を持ったり

することが多いです。

そんな中でチームをひとつにまとめることは

すごく大変でした。そこで学んだのは

「誰も欠点がない人はいない」ということ

です。だから人の持っている「良いところ」を

見つけて引き出し、他の人の「良いところ」

とうまく融合させていくことが大事です。

これが得意な経営者が会社を立て直すところを

見てきたので、それに習うところがあると

思います。

 

ーミッション達成に向けて取り組んできた

こと、また現在取り組んでいることは?

河南: 相手に気づかせるコミュニケーション

心がけて、相手の「最高」を引き出せるように

してきました。

今は同志社ビジネススクールで理論や

フレームワークとあわせて、マーケティング

コミュケーションのノウハウを教えています。

あとはブランドを強化したい企業の

コンサルティングを通して、「最高」を

引き出す魅せ方や発信方法をアドバイス

しています。

 

ーいままで経験した困難TOP2は?

  • アップルが倒産寸前になり、リストラを含めた抜本的な改革が必要だった
  • マクドナルドが2014年に期限切れチキンが食材として使われたとする「食の安心」の問題(実際には日本では使われなかった)や2015年の異物混入に関する「食の安全」に関する報道の影響で上場以来最大の赤字を出した

当時はなんでアップルにいるのか、

なんでマクドナルドに戻るのかと尋ねられて

答えられませんでした。ロジックでは説明

できないものがそこにありました。

結果としてはそれがすごく良い経験になって

います。結果が見えた今だからそう言える

わけですけど、当時は本当に大変でした。

 

ーそれぞれどのように乗り越えましたか?

河南:「これを、最高のものにしてみせる」と

宣言して乗り越えてきました。

「ちょっとこれは難しい」

「これは無理だなぁ」

とか思ったときにまず自分に言い聞かせる必要

がありました。尻込みしないように宣言して

いたわけです。

マクドナルドが一連のチキン食材や異物混入の

報道で、徹底的にメディアからバッシング

されたときに、CEOコミュニケーションの統括

でした。なんとか状況を打開するために、

いつもチームには「最高のものにしよう!」と

自分にも周りにもはっぱをかけ続けることで、

気持ちが萎えないようにしてきました。

 

ーいちばん支えになったことは?

河南:妻が「あなたならできる」と言い

続けてくれたことですね。

困難な状況に尻込みをしていたところを、

背中を押してもらったりして、

「ちょっと頑張ってみようかな」と思うことが

できました。

2番目は「修羅場」をともにくぐった仲間

存在です。「修羅場」ではその人の本性が

見えてきますよね。あからさまに保身に走る人

もいるし、腹をくくって「やろう!」と

言ってくれる人もいます。

後者の人と一緒にやれば間違いないというか、

任せて大丈夫という信頼があります。

もし結果がダメだったとしても、すごく信頼で

きる人が見つかったことが財産になりますし、

結果を受け入れることが容易になります。会社

が変わってもそういう関係はずっと変わりませ

ん。そういう関係は物事が順調に進んでいる中

では、なかなか見えません。追い詰められた

ときに誰を頼りにするべきかを知っているのは

すごく心強いものです。

 

ー成功の秘訣は何ですか?

河南:やるべきことを「パーツ」か

「ステージ」に分解して、それぞれについて

瞑想し、考え、祈り、取り組むことです。

すべてのメディアがマクドナルドについて

ネガティブな報道をしていたときは、とても

乗り越えられないような大きな問題に

見えました。そこで問題を細かく分解して、

小さな問題ひとつひとつに全力で挑んで

いきました。そうすることによって少しずつ

状況を変えていくことができました。

人生は自分の思い通りになりません。むしろ

望むことと反対のことが起きることが多い

です。うまく行きそうにないことやチャレンジ

にぶつかったときは、この方法がとても役に

たちます。ちなみに、私が成功したかというと

そうではなく、むしろ失敗ばかり…。でも

すごく恵まれた人生だと思います。

 

ー次世代の若者へのメッセージ。

河南:好きなことを見つけて極めてください。

どう応用できるかを考え、行動してください。

好きなことを見つけて、それを仕事にすること

はそれはそれでチャレンジはあります。

とにかく自分のやっていることをいろんな

かたちで好きになる方法があるはず。それを

見つけることがすごく大事だと思うんです。

もうひとつは自分の土俵で戦うことです。

不得意なところは、それが得意な人とチームを

組んでまかせればいいんです。スティーブ・

ジョブズはこれがほんとにうまかった。

彼が万能だったわけではなく、すごい才能を

持っている人を組み合わせられることが彼の

強みでした。リーダーにはこの資質が求められて

いると思います。しかし彼はエキセントリック

でしたので、反感を持つ人も多かったです。

彼の行動はすべて「テクノロジーと製品を好き

で好きでたまらない思い」からです。それを

知った人たちは「自分もそれを支えたい」

「一緒にやれば、自分にもすごいことが

できる!」という気持ちになっていきました。

そこからイノベーションが生まれたのです。

 

<まとめ>

好きでたまらないことを極め、

自分の土俵で戦うことが、

イノベーションを生む!

 

次回、マーケティング基礎①」につづく。