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【MBA】ビジネス財務分析①

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ビジネス財務分析 Week1に突入!前期の財務会計論からステップアップです。前回は、会計士目線でしたが、今回は経営者視点と投資家視点を学びます。財務分析の原則と手法を学んで、投資、資金調達、配当といった重要な意思決定に影響を与える、リスクとリターンを調査します。企業と投資家がWinWinになるのに必要な情報を提供することがミッションです😊

Week 1なので講師の紹介と役立つ分析指標をいくつか紹介します。

 

Week1 講義内容:

  • 財務諸表についての紹介
  • 財務諸表分析

 

結論

ビジネス財務分析=経営および投資判断の鍵

 

 

講師の紹介:椎名則夫

都市銀行で証券運用・融資に従事、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属しアナリスト業務を携わっていた。シカゴ大学MBA日本証券アナリスト協会検定会員、CFA。元NewsPicks解説員。UMass Lowell講師。

 https://newspicks.com/user/130194/から引用。

 

実はよく読ませてもらっている”newpikcs"というビジネスニュースサイトの元解説員です。いまは証券アナリストとして、情報発信をされています。フォロワーはなんと14万人近く👏

 

とても知識豊かな講師で、先輩からも「凄い先生だよ。」と聞いていました。最初はゆっくり丁寧に説明してくれていましたが、途中からスピードアップ。財務未経験のぼくは、ついていくので精一杯😅

 

質問への回答がダントツで早いです。メーてから10分くらいで返答が来たことも!生徒に親身になって教えてくれます。休憩中の雑談の中で、「最近はコーンポタージュにはまっているんですよね。もう年かな(笑)」とかいう何気ない会話で生徒の気持ちを和ませる場面もありました😊

 

UMassの無料体験講座を担当されているので、気になる方は参加してみてください!

 

どんな分析をするの?

Yahooのファイナンスページで、誰でも見れる分析事例を見てみましょう。まずは下記のURLをクリックします。

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https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=3382.Tから引用。

 

そして、下にスクロールしていくと…指標が出てきます。

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 https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=3382.Tから引用。

 

ここに掲載されている指標は株主や検討している人向けなので、株価や配当に関連する情報をパッと把握できるように作られています。気になる銘柄を見て、自分の望むような数値であれば、「もっと調べてみようかな」となるわけですね🤔

 

掲載されている数値は企業が公表している情報、主に財務諸表をもとに計算されています。つまり公開情報から投資判断に必要な情報を引き出し、分かりやすく紹介しているわけですね。これもビジネス財務分析の一部です。

 

でも数値だけ見ても、それが何を意味するのか、業界平均と比べてどうなのか分からないと判断できませんよね。

 

そこでWeek1では、どんな指標がどんな目的で使用されているか?財務諸表からどうやって計算するか?について学びます。

 

数多くの指標があるので、代表的なものを一部紹介します。式さえ分かれば計算自体はシンプルです。

 

ぜひ自分の会社で計算してみてください。新しい発見があると思います💡

 

主な指標の例:

当期純利益=当期純利益/ 売上高

総資産回転率=売上高/総資産

財務レバレッジ=総資産/自己資本

ROE自己資本利益率当期純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ

PER(株価収益率)=株価/ 1株あたりの当期純利益(EPS)

PBR(株価自己資本倍率)=株価/ 1株あたりの自己資本BPS)

※売上高=営業収益、自己資本=純資産といったように企業によって表記が違いますのでご注意ください。

 

これだけ見ても何のことかさっぱりですよね。

なので…セブン&アイ・ホールディングスで見てみましょう。

 

当期純利益率=3.3%(収益力)

この数値は売上から経費を引くと、利益として約3%が残るということです。小売業界平均を調べると、およそ1.2%くらいのようです。つまり小売業界の中では良好といえます。しかし産業全体を見ると10%以上の企業もあり、小売業界は厳しい競争で、利益率の確保が難しい業界であることがわかります🤔

 

総資産回転率=1.13(効率)

業種によって異なりますが、目安は1-1.6のようです。1を下回っている場合には、売上高が少ないか、ムダな資産がないかの検証が必要になります。1.13なので良好と言えますね。

 

経営レポートを見ると利益の出ていない店舗の閉鎖や百貨店、スーパー事業の構造改革に取り組んでいることが分かります。その効果が少しずつ出ているようです👌

 

財務レバレッジ=2.2(安全性)

自己資本と借入のバランスを示しています。借入が大きいと、大きな数字となります。つまりリスクが大きいということです。

 

株主からするとレバレッジ(テコの原理)をかけて、少ない資本でより多くの利益を生み出して欲しいです。だからリスクとのバランスがポイントです。

 

一般的には3前後が目安のようです。3程度まで借り入れを増やして、積極的に投資するという選択もありそうです🤔

 

ROE自己資本利益率)=8.2%

株主から預かったお金でどのくらいの利益を出せているかを示します。つまりこの数値が高いほど株主にとって魅力的ということになります。

 

当期純利益率×総資産回転率×財務レバレッジで算出することができます。つまり、それぞれの数値を分析することでどうやって改善できるかが分かるわけです。

 

日本企業としては、最低水準として8%を目指すという指針が出ています。それを考えると最低水準を満たしていますが、これからさらに上を目指すためにどういう戦略をたてるかが重要になってきますね🤔

 

PER(株価収益率)=21.82

株価が割安か、割高かを見る指標で、投資額を回収するのに何年かかるかが分かります。業種ごとに違いますが、一般的には15程度が目安のようです。つまり15年での回収を期待しているということですね。それを上回ると割高、下回ると割安です。

 

成長が期待されている企業ほど、さらなる株価上昇を期待して、高くても買う人が多くなります。その為、割高になります。21.82なので少し割高のようです🤔

 

PBR(株価自己資本倍率)=1.16

株価=1株あたりの自己資本が1なので、これを上回ると割高、下回ると割安になります。M&A(企業買収)を考えると、1以下の割安だと魅力的です。1.16倍は標準的であり、妥当な評価といえそうです👍

 

といったようなことが分かってきます。これはほんの一部ですが、競合他社と比べると自社の強みや弱み、将来性、リスクなど経営や投資判断に有益な情報がたくさん見つけることができます。実際のビジネスでは十分な時間や情報がなく、判断をせまられることも多いので、財務諸表から入る手がかりは鍵といえます🌟

 

まとめ:

 ビジネス財務分析=経営および投資判断の鍵

 

次回、「組織行動論②」につづく。